現代フィンランドデザイン / ウルフ・ホード・アフ・セーゲルスタード著・伊藤弘子訳 / コガ形象社 / 1973 / 210x150mm / 63p / ソフトカバー / 3,500円+350円=3,850円
※状態、カバー角端にスレ&少しヨゴレ、天小口に強いヤケはございますが、他に目立つダメージはございません。
●内容、
フィンランドの工芸品、家具をおさめたもの。紙と白樺を使った織物、ランプ、ティモ・サルパネヴァのガラス作品、イルマリ・タピオヴァーラの椅子、カイ・フランクの湯沸かし器、窯焼き、アアルトの家具など…。1960年代までのデザインが64点収録されています。図版は主にモノクロ。
「輝かしい未来の展望」より抜粋。
今日,フィンランド人のもつ芸術的天分を表明しているもっとも刺激的な例はマリメッコという名のもとに起こりつつある現象である。マリメッコというのは、鮮かな色を使った,大胆でくだけた感じの服地である。マリメッコのもっとも良い例は,フィンランド女子予備軍の風格ある制服である。マリメッコは、アルミ・ラティアが、初めはウオッコ・エスコリンと、後にマイヤ・イソラおよびリーサ・スウァントなどのデザイナーたちと協力して、創作したものである。リュイユ織りや陶器の部門でも、同じようなすぐれた芸術的な意匠と炎のように輝く色彩が、フィンランドの製品を有名にしたのであるが、アルミ・ラティアが、部屋着やブラウス、フロックコートやケープなどを制作するにいたって、従来の装飾芸術的な、生まじめなムードがさりげない日常的なものへと変わり始めた。同時に、セックス、国際主義、困習の打破などが活発に討論される時代にあって、マリメッコは、芸術性とか派手な彩色、あるいはファッションにまつわる細かな事柄に一切煩わされない服飾哲学の良い例を確立したといえる。この観点から見ると、マリメッコはファッションというよりもむしろ生活様式と受けとめることもできる。かつては恵まれた少数者のためのぜいたく品だったものから、普遍性のあるすぐれて豊かな"多元的芸術"を創造した。フィンランド人の芸術的天分は、排他性という障害を打ち破ったのである。