前奏曲 / 野上彰 (著)、猪熊弦一郎(画) / 東京創元社 / 1956年 / 270x250mm / 67ページ / ソフトカバー / 5,000円+500円=5,500円
※状態、カバー角端にスレ強いヤケ&見返しにテープ跡、小口&ページ端にヤケの影響、16・17・32・33・43ページ&4枚目挿画にシミ、すべての挿画の対面ページに挿画のシルエットヤケがございます。1枚目挿画裏に野上彰の署名あり。(限定版には楽譜冊子&英文冊子は付けられているようですが、本書にはございません。)
●内容、
序/川端康成
わたしの心にある三つのものよ
忘却の時にあつて
雨は降る
冬の夜ふけ 影法師ひとりを守つて
ぼくは思い出すにちがいない
わたしは歸つて行くであろう
ぼくは朝早くから
南風は立葵の色彩をかきみだし
なにをぼくは待つているのだろうか
ぼくは火山の頂きに立つて
みそさざいがぼくの心に巢をつくり
ぼくの手をあなたの膝にあずけて
ぼくの生活が暗くなつてしまつた日に
太陽が火山の頂きに沈んだときから
啄木があなたの胸のなかをのぞきこむ
虻は飛ぶ 金色に
火山の嵐に吹かれ
水芹が羽黒鶺鴒の翼の下に明るく
ぼくは耳を澄ます
ぼくは峠を越えて
歷史がぼくに持つてきた
ぼくはあなたを見失う
あなたの瞳のなかに
ぼくは出發しよう
跋/中島健藏